症例紹介

腫瘍科症例

動注化学療法を実施した鼻腔内腺癌の症例

鼻腔内腺癌は鼻腔内に形成する局所浸潤性の強い腫瘍です。その解剖学的位置と局所浸潤性の強さから治療として外科手術単独ではほとんど効果がないとされています。現在の第一選択は放射線療法ですが、副作用や1週間に数回の高頻度の全身麻酔が必要であること、利用できる施設が極めて少ないことなどの課題があります。これに代替する方法として、腫瘍までカテーテルを挿入していき、局所で抗がん剤を使用する動注化学療法があります。
本症例は7歳の時に鼻汁、鼻出血の精査のために当院を受診し、CT検査および生検で鼻腔内腺癌と診断しました。その鼻腔内腺癌に対して動注化学療法を使用し、治療を行いました。大腿動脈からカテーテルを挿入し、鼻の腫瘍血管までカテーテルを進めていき、腫瘍部位に到達したところで抗がん剤を投与しました。月に1回~3か月に1回ぐらいのペースで13回実施しました。途中発作や骨融解などの副作用は出ましたが、腫瘍サイズは少しずつ小さくなっていきました。鼻腔内腺癌の場合、放射線治療を行ってもその中央生存期間は8〜17か月と報告されていますが、本症例は現在13歳であり、腫瘍が認められて治療を開始してから6年が経過していますが、元気に生きています。

動注化学療法を実施した鼻腔内腺癌の症例

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